フランクフルトの郷土料理だけあって、同地出身の文豪ゲーテも大好物だったそう
マルクトに、白い紙に包まれたハーブセットが並ぶと、フランクフルト名物、Grüne Soße(グリューネ・ゾーセ)の季節到来です。Grüne Soßeとは、その名の通り、”緑のソース”!パセリ、チャイブ、チャービル、クレソン、サラダバーネット、スイバ、ルリジサといった7種のハーブにサワークリームなどを合わせた、香りも味わいも爽やかな一品。じゃがいもにたっぷりかけて、4つのゆで卵を添えるスタイルが王道ですが、シュニッツェルやグリルしたお魚などとも相性抜群。最近では一年を通してお店で味わうことができますが、旬はやはりこの時期。毎年大々的に”Grüne Soße Festival”というイベントが開催されるほど、地元民に愛されています(2020年は10月3〜10日に開催予定)。
素材となるハーブは、何世代にも渡って、フランクフルトのオーバーラード地区で栽培されています。ハーブだけでなく、たくさんの野菜が育つのどかな風景の中に、何やら緑の小さな温室が7つ並んで建っています。じつはこれ、Grüne Soßeを称える記念碑!Grüne Soßeに使われる7種のハーブの色に合わせて異なる緑の濃淡で包まれた温室は、それぞれ底面にハーブの名前が記されており、どのハーブも尊重されているのが伝わってきます。
地元民のGrüne Soße愛に突き動かされ、オーバーラードの畑から届いたハーブセットを購入!Grüne Soße作りに初挑戦してみました。レシピは家庭ごとに”お袋の味”がありますが、今回は、ハーブセットの包み紙に記されたレシピを参考に。7種のハーブ200g、Schmand(サワークリームの一種で、脂肪分が高い)400g、Sauer Sahne(サワークリーム)200g、粒マスタード大さじ1、レモン汁大さじ1、西洋ワサビ大さじ1をミキサーにかけて、砂糖をひとつまみ加え、塩コショウで味を整えたら、できあがり。初めてでも簡単&失敗がないし、何よりミキサーにかけている時にぶわっと漂うハーブの香りが爽快!サワークリームをヨーグルトに変えたりアレンジ自在なので、自分好みの味を追求するのも楽しそうですね。今後、我が家の常備ソースになりそうな予感!
写真提供: 大越理恵
大越理恵(おおこし・りえ)
編集プロダクション勤務を経て、1996年よりフリーライターとなり、情報誌や単行本の取材・ライティングを担当。2007年にドイツへ拠点を移してからは、リトルプレス『点線面』、海外情報サイト『Bound to Bound』(https://boundtobound.netm)などで、生活に密着したドイツ情報を届けるほか、ドイツで活躍する日本人のインタビューを行う。自身が所属する「POMP LAB.」サイト内(http://pomp-lab.net)では、フランクフルトブログも公開中