CO2排出の削減に向けて、自動車のEV化の他にも面白い環境対策アプローチがされているので、今日はその一つのご紹介です。
その名も、”Ideenwettbewerb Klimaschutz”(環境保護アイディアコンペティション)。クリエイティブな環境保護アイディアに、賞金総額110,000(1ユーロ131,90円換算で約1460万円)ユーロを授与するというプログラムです。2015年には6つの企業が受賞し、実現化や試験のために賞金が使われます。
少々前の話ですが、2015年のコンペでは、モビリティにかかわるプロジェクトの例として以下のような企業が賞を獲得しました。
「Initiative 2proAuto」(直訳:イニシアチブ 2proAuto)
http://2proauto.de/
もともとは2010年ダルムシュタット工科大学発のスタートアップ企業によって開発されたカーシェアリングプラットフォームflincですが、2proAutoの主な目的は、flincで短距離での移動の利用促進を行うことです。同社のウェブサイトのインフォグラフィックによれば、フランクフルトへの通勤は79%が自家用車で、平均搭乗者数は1.2人。もし、週に1度自分で車を運転しない日を作ると、その日は3万2635台の車を減らすことができるという計算です。
筆者も個人的に同じエリアに住む同僚と数週間、カーシェアリングで通勤をしたことがあります。前後に時間の制限(子供の学校の送り迎えなど)がなければ実現は難しくないかもしれません。現に、このインフォグラフィックによればドイツ人の72%がカーシェアリングに意欲的のようです。
„Moderne und CO2-neutrale Innenstadtlogistik mit Cargobikes und Lastenrädern“
(直訳:近代的かつCO2フリー 貨物自転車)
https://sachenaufraedern.de/
P. Köhler und S. Bergen GbR社と、KG-Vertrieb社の経営者であるKlaus Grund氏が共同で、フランクフルト市内の輸送手段として貨物自転車のコンセプトを考えました。
上記リンク先のホームページで、なかなか斬新な電気自動車の画像をご覧いただけます。市内で直接販売を行う業者の商品を、オンラインで注文し、宅配で届けてもらえる仕組みです。環境対策だけでなく、地場産業の活性化にも一役買っているというわけです。
また、2018年9月17日フランクフルト市のプレスリリースによると、同じくKlaus Grund氏とHerbert Riemann氏のアイディアをもとに、路面電車(トラム)で宅配荷物を輸送するという計画が発表されました。フランクフルト交通局のVGFはじめHouse of Logistics & Moblitiy(HOLM), フランクフルトの応用科学大学、フランクフルト商工会議所によってパイロットプロジェクトの一つとして構想化されました。この”ロジスティックトラム”では、まだまだ相当な量の貨物をを運べるレベルではないものの、実用化に向けてこれからさらに実証実験が重ねらる予定です。
《出典》
フランクフルト市ホームページ 2018年9月17日付プレス記事
https://www.frankfurt.de/sixcms/detail.php?id=2855&_ffmpar%5b_id_inhalt%5d=34419401(ドイツ語)
《参考》
フランクフルト市環境保護局ホームページ
https://www.klimaschutz-frankfurt.de/blog/co2-freien-citylogistik (ドイツ語)