「ブドウが収穫される秋にいち早く味わう、ドイツを代表する飲み物よ!」。ドイツ人の友達が誇らしげに紹介してくれたのが、Federweißer(フェーダーヴァイサー)。白ブドウ果汁からワインになるまでの発酵途中の飲み物で、たくさん含まれた酵母がシュワシュワする様子が、”白い(weiß)、羽(Feder)”に見えることから名付けられました。
飲み口はといえば、微発砲の甘く爽やかなブドウジュースのよう! 美味しく、飲みやすいので、つい進んでしまいがちですが、じつはアルコール度数は11%程度あり、軽めのワインとほぼ一緒なので、ご注意を。最初は甘みが強いけれど、そのまま6〜8時間置いておくと、発酵が進んで酸味が強くなるので、ちょこっとずつ味見しながら、好みの状態になるまで待つのもまた一興です。
冒頭の友達が、「Federweißerと最強の組み合わせ!」と太鼓判を押すのが、Zwiebelkuchen(ツヴィーベルクーヘン)と言われる玉ねぎケーキ。イースト生地にたっぷりの玉ねぎやベーコンなどのフィリングを流し入れて焼いたもので、どっしりしたキッシュのような感じ。Federweißerに重なる玉ねぎの甘さに、ベーコンの塩気がアクセントとなり、ナイスコンビを実感!
スーパーでは3€前後とお手頃な価格。赤ブドウで作られた、Roter Rauscherもあります
発酵したらワインとなってしまうので、Federweißerが味わえるのは、10月末までの期間限定。スーパーやマルクト、ワイナリーで購入できるほか、ワインバーなどでも提供されているので、ぜひ今だけの味を楽しんで。
そして、この時期、各ワイン生産地で行われるフェーダーヴァイサー祭り、2020年は中止するところが多い中、リューデスハイムでは、10月23日〜25日、10月30日〜11月1日に「Tage des Federweissen」(https://www.tage-des-federweissen.de)を開催予定。コロナ禍に即した内容としながらも、30年以上続く伝統のお祭りを華々しく盛り上げます。
マルクト内のワインショップでも、この時期、Federweißerはイチオシ商品となっています
《関連情報》
Tage des Federweissen
(フェーダーヴァイサー祭り)
秋頃開催
Marktplatz Rüdesheim
65385 Rüdesheim am Rhein
大越理恵(おおこし・りえ)
編集プロダクション勤務を経て、1996年よりフリーライターとなり、情報誌や単行本の取材・ライティングを担当。2007年にドイツへ拠点を移してからは、リトルプレス『点線面』、海外情報サイト『Bound to Bound』(https://boundtobound.net)などで、生活に密着したドイツ情報を届けるほか、ドイツで活躍する日本人のインタビューを行う。自身が所属する「POMP LAB.」サイト内(http://pomp-lab.net)では、フランクフルトブログも公開中