デジタル化関連の催しとしてヘッセン州で最大のコングレス、”DIGITAL FUTUREcongress” (⇒公式サイト) が2019年2月14日、フランクフルト市のメッセ会場で行われました。特に今年は、ドイツを代表するIT関連のメッセ「CeBIT」廃止が決定されたため、その代わりとして当コングレスは重要な意味があったように見受けられました。
このコングレスでは、基調講演・テーマごとに5つのカンファレンスルームで行われるプレゼンテーション、150社からなる展示スペース、ワークショップで構成され、デジタル化を担う企業・組織によりユーザーに向けてデジタル化のための様々なアイディアが紹介されます。
話題のIndustrie 4.0に欠かせないデジタル化。デジタル化のアイディアといっても、カンファレンスではただデジタル化の現状紹介だけにとどまりません。今何が課題なのか、それをどう解決していくのか。
プレゼンテーションでは、オンラインマーケティング・プロセス最適化・働き方4.0&未来的思考、サイバーセキュリティ、デジタル化とテーマが分けられ、具体的な手法が様々な企業により発表されました。例えば、デジタル化のためのシステムを導入すると決めても、往々にして起こる社員の心理的反発といった状況に対処するため、顧客にあわせた個別のアプローチで経営コンサルタントを行う業者。すべてがオンライン化することによる情報の流出を極力防ぐための監視ソフトウェア開発業者。更なる具体例として、最新のエッジコンピューティングによって、レイテンシ、消費電力、スペース、冷却装置の減少や縮小に成功したヘッセン州のIT企業のRittal社では、同じくヘッセン州にある製薬・医療大手B. Braun Melsungenの、多様なニーズに迅速に対応できる物流システムを開発したケースなど。(B. Braun Melsungenでは、オペを行う医療従事者の好みによって異なる手術用器具を提供している)
上記のことからも、一つにデジタル化といっても様々な要素がからみ、サービスを提供する方も、提供される製造業も、うまく相互に働くエコシステムの存在が必要であることが実感できます。
フランクフルトは交通のハブだけでなく、インターネットエクスチェンジDe-Cixやデータセンターが多数あることからも分かるとおり、情報通信のハブでもあり、それに伴いIoTの実現で一番心配されるサイバーセキュリティについても、当地を中心に日々研究が進んでいます。Made in Germanyは今でも確固たるブランドとなっていますが、エコシステムの機能するドイツそしてそれを支えるインフラの整うフランクフルト・ラインマイン地域では、生産・開発拠点としてもさらにその立場を強固にするものと予想されます。
このテーマに関連し、フランクフルトラインマイン国際投資促進・浅川日本代表が、2月21日(木)名古屋で開催のIoT World Conferenceにて午後13時15分~13時55分のスロットで、ドイツ貿易・投資振興機関とともに登壇します。当地フランクフルト・ラインマインのIndustrie 4.0やIoTの取り組みや成功例などが紹介される予定です。お近くの方は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。